昆虫食の中でも、 イナゴはイネの成育中や稲刈り後の田んぼで害虫駆除を兼ねて大量に捕獲できたので、イナゴの佃煮にして食べるなどの風習が日本でもあり、今でも比較的抵抗なく食べられているようです。
イナゴの甘露煮ってみかけたことありませんか?
信州を代表する郷土珍味で美味しいらしいですよ。
ここでは、イナゴの栄養価を卵と比較して、ダイエットに最適なのかを検証してみます。
イナゴと鶏卵の栄養価を比較してみる
終戦直後の食糧難の時代を生きた世代には、イナゴを食べて飢えをしのいだ体験を持つ方も多いんだとか。
イナゴで飢えをしのげるほどイナゴは栄養価が高い?
ダイエットに最適だという声があります。
ほんとにそうなのか、食品データベースでみてみました。
卵は、 食物繊維・ビタミンC以外の栄養素をすべて含んでいるため、 完全栄養食品とも言われています!
その万能な卵と比較して、いなごの栄養価の特徴をみてみます。
表はいなご100gあたりの栄養価です。
食品データベース(https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11241_6)を引用し、値の中に、鶏卵の栄養価の数値を( )でくくって表し、比較しやすいようにしています。
成分名 値(かっこ内は鶏卵の数値) 単位 廃棄率 0(15) % エネルギー 247(151) kcal 1033(632) KJ 水分 33.7(76.1) g たんぱく質 26.3(12.3) g アミノ酸組成によるたんぱく質 – g 脂質 1.4(10.3) g トリアシルグリセロール当量 0.6(8.6) g 炭水化物 32.3(0.3) g 灰分 6.3(1.0) g 無
機
質ナトリウム 1900(140) mg カリウム 260(130) mg カルシウム 28(51) mg マグネシウム 32(11) mg リン 180(180) mg 鉄 4.7(1.8) mg 亜鉛 3.2(1.3) mg 銅 0.77(0.08) mg マンガン 1.21(0.02) mg ヨウ素 -(17) μg セレン -(32) μg クロム -(0) μg モリブデン -(5) μg ビ
タ
ミ
ンA レチノール Tr(140) μg カロテン α -(0) μg β -(3) μg β−クリプトキサンチン -(28) μg β−カロテン当量 900(17) μg レチノール活性当量 75(150) μg D 0.3(1.8) μg E トコフェロール α 2.8(1.0) mg β Tr(Tr) mg γ 0.2(0.6) mg δ 0(Tr) mg K 7(13) μg B1 0.06(0.06) mg B2 1.00(0.43) mg ナイアシン 1.7(0.1) mg ナイアシン当量 6.1(3.0) mg B6 0.12(0.08) mg B12 0.1(0.9) μg 葉酸 54(43) μg パントテン酸 0.43(1.45) mg ビオチン -(25.4) μg C 0(0) mg 脂
肪
酸飽和 0.11(2.84) g 一価不飽和 0.12(3.69) g 多価不飽和 0.32(1.66) g コレステロール 77(420) mg 単糖当量 -(0.3) g 食
物
繊
維水溶性 0(0) g 不溶性 0(0) g 総量 0(0) g 食塩相当量 4.8(0.4) g アルコール – g 重量変化率 – % (参考:食品データベース https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11241_6)
確かに卵は、 食物繊維・ビタミンC以外の栄養素をすべて含んでいますね!
いなごの100gあたりのエネルギーは 247kcal。
卵151kcalと比較して、100kcalほどエネルギーは高いです。
食品の三大栄養素は 、たんぱく質・ 糖質 ・脂質で、人間の生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源。
たんぱく質は26.3gで卵は12.3gなので、約2倍多いことになります。
炭水化物(糖質)は32.3gで卵は0.3gなので、100倍近くも多いですね。
脂質は1.4gに対し卵は10.3gでかなり少ない。
イナゴの栄養価はダイエットにどうなの?
体の大部分はたんぱく質で構成されています。
また、ダイエットの鍵でもある、基礎代謝を維持するのに重要な栄養素でもあります。
イナゴ君にはたんぱく質が多く含まれています。
これはとても良いことなので合格。
脂質と炭水化物(糖質)の値はダイエットにどうなんだろう。
脂質制限ダイエット、糖質制限ダイエットの2つがあるようですが、いろいろとメリット、デメリットがあるようです。
ここのところがよくわからない。
脂質は少なくて糖質は多い、イナゴ君。
ダイエットの食材としてはどうなんだ?
いろいろ調べましたがわかりませんでした~!
イナゴ君は糖質は多いですが、 糖質の代謝を良くする成分が ビタミンB1で、そのビタミンB1は卵と同じ値が含まれています。
理想的な糖質の量は 1日 120g、 たんぱく質は1日体重×1~1.5倍の量、 脂質は 1日2,000kcal必要な人は55gだそうです。
コレステロールは77㎎に対し卵は420㎎なのでかなり少ない。
コレステロールは脂質の一種。
食品から摂取するコレステロール量は 1日に300 mg以下が望ましいということなので、卵は見事にオーバーしています。
イナゴ君はまだまだ余裕があり合格。
灰分(カルシウム・鉄・ナトリウムなどのミネラル)は6.3gに対し卵は1.0gで6倍近くも多い。
ビタミン・ミネラル類は三大栄養素のたんぱく質・ 糖質 ・脂質のエネルギー変換をサポートする需要な役割があります。
- 筋肉を作る働き・・・ビタミンB2、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム
- 脂肪を燃やす働き・・・ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、カルシウム、マグネシウム
- 脂肪が蓄積しにくくする働き・・・ビタミンB2、ビタミンB6、カルシウム、亜鉛、クロム
- 血流を良くする働き・・・ビタミンEや鉄
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12の値をみると、ビタミンB12以外は、卵と同じ値か、イナゴ君の方が多いですね。
カルシウム、マグネシウム、亜鉛、クロムの値をみると、カルシウムは卵より少なく、クロムは同じでゼロ、マグネシウムと亜鉛は、イナゴ君の方が多いです。
ビタミンDは卵が多いですね。
ビタミンEは互角、鉄分はイナゴ君が多いです。
こうしてみると、イナゴ君は糖質は多いけど、たんぱく質も多く、ミネラルも多く、卵に劣らずなかなかの優秀な食材だと思いませんか。
ダイエットに最適だという声が上がるのも頷けます。
ダイエットを考えている方は、イナゴをダイエットの補助食材に加えてみてはいかがでしょうか?
イナゴってどんな味?
イナゴがどれだけ美味しいかは、同じような見た目の昆虫であるバッタ、コオロギと食べ比べてみると分かるそうです。
バッタ、コオロギは、昆虫風味が口に残るけど、イナゴは昆虫としての壁を突破して「食材」としての風格がある。
ササッと炒めて食べてみると、イナゴの真の味が堪能できて、食感、濃厚な味、後味すべてよしの完璧すぎるほどの昆虫だそうです。
(ほぼ引用:ロケットニュース24 【トリビア】バッタを炒めると○色になる / バッタ・コオロギ・イナゴを食べ比べるとわかるイナゴの実力 https://rocketnews24.com/2012/02/24/186096/)
「桜エビの磯の香りを取り除いた味と食感」と表現される方もいます。
試しにいかがでしょうか!!